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購入意思決定にも影響を与える、マーケティングにおいて知るべき人間の脳が持つ思考メカニズム
人間の脳は、大きく分けて二つの異なる思考システムを持っているとされています。
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンが提唱した「二重プロセス理論」は、
2つの思考システムを通称「システム1」と「システム2」と呼びます。
両システムの特性を意識したマーケティング戦略の立案が重要です。
■システム1:直観的・自動的に処理する思考メカニズム特性
✓特性: 瞬時、無意識、感情的、自動的、直感的な考えたり思考判断を要さない即時認識、
経験に基づく判断、感情的反応などがこれに当たります。
✓具体例: 危険を察知して瞬時に身をかわす、馴染みの製品を迷わず手に取る、おしゃれな店内で気分が
高まり衝動買いをするなど。
<マーケティングにおけるポイント>
●感情的訴求: 顧客の注意を一瞬で捉え、ポジティブな感情や連想を引き起こすデザイン、
キャッチコピー、音楽、香りなど五感に訴えることが有効です。
視覚的に魅力的で、感情に訴えかける広告は、システム1に直接作用します。
●ブランド認知と親近感の醸成: 繰り返し露出されるロゴ、CMソング、スローガンなどは、
顧客の無意識下に刷り込まれ、製品・サービス名の親近感や信頼感を
構築され、購入ニーズが高まった際に直感的にそのブランドを選択する
可能性が高まります。
●即時性と簡潔性: 複雑な情報よりも、シンプルで理解しやすいメッセージが好まれます。
購入プロセスも極力シンプルにし、ワンクリック購入や簡単な会員登録など、
システム1がスムーズに判断できるような設計が重要です。
●社会的証明と希少性: 「みんなが買っている」「限定品」といった情報は、システム1が「正しい」と
判断しやすいショートカットとなります。
レビューや口コミ、インフルエンサーマーケティングなどが有効です。
●アンカリングとフレーミング: 価格設定や情報提示の方法により
(例:「通常価格10,000円が今だけ5,000円!」)によって、
顧客の初期判断(アンカー)を形成、意思決定に影響を与えます。
■システム2:熟慮的・論理的に情報を処理する思考メカニズム特性
✓特性: 時間をかける、意識的、論理的、計画的など考えや思考を要する認識パターン、
複雑な問題解決、分析、比較検討、合理的な判断などがこれに当たります。
✓具体例: 高額な家電製品のスペックを比較検討する、住宅ローンについて複数の金融機関から情報を
集める、重要な契約書の内容を熟読するなど。
<マーケティングにおけるポイント>
●情報提供とメリットの明確化: 製品の機能、性能、価格、保証、顧客の声など、
システム2が判断を下すために必要な具体的な情報を提供することが
不可欠です。
データに基づいたメリット、競合との比較優位性を明確に提示します。
●信頼性と権威性の確立: 製品の品質保証、専門家の推薦、受賞歴、企業の実績などは、
システム2が「信頼できる」と判断するための重要な要素です。
●詳細な比較検討の支援: 比較ツール、詳細なスペック表、Q&Aセクション、カスタマーサポートなど、
顧客が時間をかけて情報を収集し、論理的に検討できる環境を提供します。
●リスクの軽減と安心感の提供: 返金保証、無料トライアル、長期保証などは、顧客が購買後に後悔する
リスクを低減し、安心して購入を決定できる材料となります。
●課題解決への貢献: 顧客が抱える具体的な課題に対して、製品やサービスがどのように解決策を
提供するのかを論理的に説明し、その費用対効果を明確にします。
マーケティング戦略を立案する際は、まずシステム1に訴えかけ、顧客の注意を引き、感情的なつながりを構築することが重要です。その後、システム2が製品やサービスを論理的に評価し、納得して購買に至るための情報と環境を提供します。
この両方のシステムを意識して、それぞれの特性に応じたアプローチを組み合わせることで、成果の出やすい購買プロセスを設計します。その結果、ユーザーの購入意思決定を後押しに繋がります。
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投稿日: 2025年06月19日